Geminiを授業で使う前に、先生が決めておきたい3つのこと
Geminiは便利だからこそ、なんとなく使うと危ない
Geminiは、便利です。
聞けば、答えてくれます。 ヒントも出してくれます。 授業のアイデアも出してくれます。
でも、便利だからこそ、授業に入れるときには、少し注意が必要です。
何のために使うのか。 子どもに何を考えさせたいのか。 どこまでAIに任せるのか。
ここが曖昧なままだと、AIに授業が引っ張られます。
便利だった。 答えは出た。 でも、子どもが何を学んだのか分かりにくい。
そうならないために、プロンプトの書き方より前に、決めておきたいことがあります。
なお、この記事は「教育向けAIを学校現場に翻訳するシリーズ」の3本目です。
1本目では、Geminiのガイド付き学習が、すぐに答えを教えず、子どもの考える道筋を支える様子を紹介しました。
2本目では、授業がうまく届かなかった日に、誤答や反応をGeminiに入れ、次の1時間の立て直し作戦を考える使い方を紹介しました。
今回は、その手前の話です。 実際に授業で使う前に、先生が何を決めておけばよいのか。 体験記というより、授業設計の記事です。
決めたいことは、3つあります。
決めること1。答えを出させるのか、考えさせるのか
AIは、答えを出せます。
でも、授業でいつも答えを出させてよいわけではありません。
答えを確認する場面なら、AIの答えが役立つこともあります。
でも、子どもが考えている途中では、答えより、ヒントや問い返しの方が合うことがあります。
たとえば、こんな使い方です。
「答えを教えて」ではなく、
「考えるためのヒントを出して」。
「本文に戻れる問いを出して」。
「式ではなく、図で考えるきっかけを出して」。
つまり、先に決めておきたいのです。
Geminiを「答えを出すAI」として使うのか。
それとも、「考える道筋を支えるAI」として使うのか。
具体例を出します。
算数の割合なら、「答えを聞く」のではありません。 「20%引きで出た160円は、何の金額なのかを考える問いを出す」。 こういう使い方ができます。
国語の「ごんぎつね」なら、「あらすじを出させる」のではありません。 「ごんの気持ちが分かる本文の言葉を探すための問いを出す」。 こういう使い方ができます。
同じGeminiでも、ねらいが違えば、使い方が変わります。
決めること2。個人で使うのか、全体で見るのか
同じGeminiでも、誰がどう使うかで、意味が変わります。
子ども一人ひとりが使うなら、個別のつまずき支援になります。 先生が大型提示で見せるなら、全体で比べる材料になります。 先生だけが使うなら、授業準備や授業後の立て直しになります。
ここを決めずに使うと、授業の流れがぼやけます。
整理すると、こうなります。
個人で使う。 演習中のつまずき支援や、復習に向いています。
全体で見る。 AIの出力を比べたり、間違いを探したり、話し合いの材料にしたりできます。
先生だけが使う。 授業準備、問いづくり、授業後の立て直し作戦に使えます。
先生が授業後に使うだけでも、価値があります。
2本目で書いた「立て直し作戦」も、先生だけが使う形でした。
決めること3。AIの出力をどこまで使うのか
AIの出力を、どう扱うか。
完成品として使うのか。
たたき台にするのか。
間違いを探す対象にするのか。
比べる材料にするのか。
子どもが直す素材にするのか。
ここを決めておく必要があります。
ここが曖昧だと、AIの文章をそのまま写して終わり、になりやすいです。
授業では、「そのまま使う」より、別の使い方の方が学びになります。
比べる。
確かめる。
直す。
自分の言葉にする。
具体例を出します。
総合で、地域紹介のスライドを作るとします。
AIにスライド案を作らせて終わりでは、弱いです。
でも、AIが出した案を見て、こう考えるなら、子どもの判断が入ります。
「どこが、自分たちの地域らしくないか」。
「事実と違うところは、ないか」。
「自分たちの体験を足すなら、どこか」。
同じAIの出力でも、扱い方で、学びの深さが変わります。
3つを決めると、先生の見取りがはっきりする
3つを決めると、見えてくるものがあります。
子どもに、何を考えさせたいのか。
どこで、AIを使わせるのか。
どこを、先生が見るのか。
ここがはっきりします。
大事なのは、AIを使ったかどうかではありません。
子どもが、何を考えたのか。 どこで、立ち止まったのか。 何を、自分の言葉にできたのか。
ここを、先生が見取ることです。
AIは、先生の見取りをなくすものではありません。
むしろ、先生が見取るポイントを、はっきりさせて使うものです。
まとめ
Geminiを授業で使う前に、難しいプロンプトをたくさん覚える必要はありません。
まず決めたいのは、次の3つです。
1.答えを出させるのか、考えさせるのか。
2.個人で使うのか、全体で見るのか。
3.出力を、どこまで使うのか。
この3つが決まると、AIに授業を持っていかれにくくなります。
AIを使うことが、目的ではありません。
子どもが、何を考えるのか。 先生が、どこを見取るのか。
そこから、Geminiの使いどころを決めていきたいです。
学校現場で使える生成AI活用を、これからも具体的に発信しています。
AIを使うことそのものより、
「子どもが何を学ぶのか」
「先生がどう見取るのか」
「人間がどこで考えるのか」
を大切にしています。
Geminiや教育向けAIの使いどころも、現場の言葉で少しずつ整理していきます。
私は現役の小学校教員をしながら、AI活用について発信しています。同じような立場の方や、AIを仕事・学びに活かしたい方に届けばうれしいです。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


