0.4×0.6をGeminiに聞いてみた。ガイド付き学習は"答えを教えないAI"だった
AIに答えを出させるだけなら、授業では少し怖い
生成AIは、便利です。
聞けば、すぐに答えを返してくれます。
でも、授業では、そこが少し怖いところでもあります。
子どもが考える前に、答えが出てしまう。
途中の考え方を、飛ばしてしまう。
これでは、学びになりません。
だから、教育で使うなら、見方を変えたいです。
「答えを出すAI」ではなく、「考える道筋を支えるAI」として見る。
そんな目で、Geminiのガイド付き学習を試してみました。
なお、この記事は「教育向けAIを学校現場に翻訳するシリーズ」の1本目です。
機能紹介で終わらせず、授業・先生の負担・子どもの学びに落とし込んで考えていきます。
Geminiのガイド付き学習で、0.4×0.6を聞いてみた
実際に、Geminiのガイド付き学習で「0.4×0.6の答えは?」と聞いてみました。
返ってきたのは、0.24ではありませんでした。
まず、「小数の掛け算ですね。順番に考えていきましょう」。
そして、「まずは整数として計算してみましょう」。
最後に、「4×6はいくつになりますか?」と聞き返してきます。
すぐに答えを出さない。
小数の計算を、いったん整数の計算に戻している。
これは、子どもが考えやすいように、段差を作っているように見えます。
いきなり高い段を登らせない。
低い段から、順番に。
そんな設計です。
子どもの答えを使って、次の問いへ進めている
ここからが、おもしろいところです。
子どもが「24」と答えます。
Geminiは、まずそれを受け止めます。
「正解です!4×6=24ですね」。
そのうえで、次の問いへ進めます。
「元の式は0.4×0.6でした」。
「小数点を左にいくつ動かせばよいでしょうか?」
子どもが「2」と答えます。
Geminiは、また受け止めます。
「その通りです。小数点は左に2つ動かします」。
そして、その答えを使って、次へつなげます。
「24の小数点を、左に2つ動かすと、どんな数になりますか?」
ここで気づくことがあります。
一問一答では、ありません。
答えを教えるのではなく、子どもの返答を使って、次の思考へ進めている。
会話が、階段になっています。
最後に、答えまでの流れをまとめてくれる
子どもが「0.24」と答えます。
Geminiは、「大正解です」と返します。
そのうえで、計算の流れをまとめてくれます。
「整数として4×6を計算する」
「小数点を左に2つ動かす」
「だから0.24になる」
ここがいいなと思いました。
答えだけで終わらせていません。
考え方の流れを、言葉にしてくれています。
子どもが答えを出したあとに、学びを整理してくれる。
そんな役割もあるように見えました。
プロンプトなしで”考えさせる流れ”になるのは大きい
ここで、正直に書いておきます。
通常の生成AIでも、似たことはできます。
「答えを直接教えないでください」
「ヒントを3段階で出してください」
「子どもが考えられるように、問い返してください」
こう頼めば、近い動きになります。
でも、忙しい先生にとって、このプロンプトを書くこと自体がハードルです。
授業準備があります。
校務があります。
学級のこともあります。
その上で、AIのために、さらにプロンプトを勉強する。
そう感じると、使い始める前に止まってしまいます。
その点、ガイド付き学習は、細かいプロンプトなしでも「考えさせる流れ」に入りやすい。
これは、学校現場ではかなり大きいです。
AI活用が、「詳しい先生だけのもの」になりにくいからです。
授業で使うなら、個別のつまずき支援に向いている
では、どこで使えそうか。
一斉授業の中心に、いきなり置くのは早いと思います。
まずは、個別支援に向いていそうです。
たとえば、こんな場面です。
・演習中のつまずき
・家庭学習
・復習
・補習
・自分のペースで考え直したい場面
算数なら、こんな単元で使いやすそうです。
・小数の計算
・割合
・速さ
・単位量あたり
理由は、どれも「手順」と「意味」の両方が必要だからです。
手順だけ教えても、意味が分からないと使えません。
ガイド付き学習は、その両方を行き来させてくれます。
ただし、先生の見取りは必要です
ここは、必ず書いておきます。
問い返してくれるからといって、全部を任せてよいわけではありません。
子どもが、本当に理解したか。
別の問題でも、使えるか。
自分の言葉で、説明できるか。
AIの言葉を、ただなぞっているだけではないか。
ここは、先生が見る必要があります。
AIは、先生の代わりではありません。
子どもが考えるための、足場を増やす道具です。
そう考えると、使い方が見えてきます。
まとめ
Geminiのガイド付き学習は、答えを早く出すための機能ではありません。
子どもが答えにたどり着くまでの道筋を、一緒にたどるための機能です。
0.4×0.6の例では、整数の計算、小数点の位置、答えまでの流れを、段階的に進めていました。
しかも、細かいプロンプトなしで、その流れに入りやすい。
忙しい先生にとって、ここは大きいです。
まずは、個別のつまずき支援や復習で試すのがよさそうです。
ただし、理解の見取りは、先生が行う必要があります。
AIを授業で使うなら、まずは「答えを出す」より「考える道筋を支える」使い方から試したいです。
学校現場で使える生成AI活用を、これからも具体的に発信しています。
AIを使うことそのものより、
「子どもが何を学ぶのか」
「先生がどう見取るのか」
「人間がどこで考えるのか」
を大切にしています。
Geminiや教育向けAIの使いどころも、現場の言葉で少しずつ整理していきます。
私は現役の小学校教員をしながら、AI活用について発信しています。同じような立場の方や、AIを仕事・学びに活かしたい方に届けばうれしいです。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました!





